星の子の世界にいざなわれて
2009.12.14
8plus(エイトプラス)という、絵本作家・デザイナーである芳賀八恵さんによる個人出版ならではのこだわりを持った本を数々出されているレーベルから、オリオンも美しい12月のアドベント期にぴったりの本をご紹介。
冬の澄んだ空にまたたく星のようなたたずまい、白い表紙に銀色のインクで「星の子」のタイトル。「宇宙の中の地球の中の私。日々の暮らしの中に星の瞬きを感じて」という帯フレーズが印象的な小さなアートブック。
「星の本だ」…と思って手に取ると、意外にも、私たちが普段見ている何気ないモノクロの風景写真から始まって、森へ、月へ、星へ、日常をすくいとりながら、やがて私たちの住む惑星・地球とその太陽系へと、視覚に呼びかける絵や図形によって導いてくれます。
小さな本ながら、凝ったつくりで、いろんな紙や印刷の工夫が織り交ぜられた中には…
・日常の中で、長年変わらない風景や、一瞬が発するかがやき、生き物たちがみせてくれる美しさの世界。
・星や月のめぐりやリズムの世界。
・薄い紙を透かして変化を感じる「太陽系ができるまで」などの天文学的エピソードの世界。
・群青の色紙に刷られた、銀色の星座たちのページは、さながら二次元に現れた銀河の世界。
・手触りの温かな紙に刷られた小さな星のストーリーが感じられる絵本「星の木」の世界。
一冊の中でいろんな世界や尺度が詰まっていて、静かにミクロとマクロの世界を光の速度で瞬間移動しながら見ていく感じは、まるで「星の子」に連れられて、旅に出ているよう…。そのうちに私たち自身も「星の子」であることをじわじわと感じていきます。そして、何度もめくってそのステキさを味わいたくなります。
色メガネならぬ、「星の子」メガネとでもいいましょうか…そのミクロとマクロを行き交う視点で世界をみてみると、私たちの些細な日常の風景が別のものに見えてきて、いままでとは違う解釈や想いに出会うこともできそう。そんな日々に「別視点をもつこと」の魅力やチカラを再び感じさせてくれます。
手になじむハンディなサイズの本だからこそ、電車の中や、空の下、あたたかくしたお部屋の中、いろんなところでめくって、日々の中の別世界を感じとってみてください。
ご自分へのプレゼントにもいいですが、クリスマスのプレゼント交換で誰に渡るかわからない運命的なプレゼントとしてもなかなか合うのではないでしょうか?
著者:芳賀八恵
発行:8plus
価格:\1,995
仕様:220×180×4mm/46p/ソフトカバー/本文モノクロ・特色刷り(銀)ページ有
http://www.skky.info/itohen/books/index.html
http://www.welcome-8plus.com/
:::: 橋本 望 ::::大阪・キタ(北区)の外れにひっそりと佇む、ギャラリー、カフェ、ブックショップのお店「iTohen」(いとへん)のスタッフ。四国の香川県から4年前に、大阪に移住。お店の本と雑貨のセレクトは、スタッフ全員で担当しているので、アートの本から詩集や料理本、CDまで幅広く取り扱っています。
http://www.skky.info/itohen/news/index.html



