ひたむきな写真家が残した雪の結晶
2009.12.19
寒さの深まるこの季節に、空からの贈り物。それは、雪。クリスマスがホワイトクリスマスだったらなあ…、とは子供も大人も変わらない、密かな願いではないでしょうか?雪自体を見たことのある人は、きっと多いはず。しかし、その雪のひとつひとつの形、「結晶」がどのようなものなのかはご存知でしょうか?
この本には、モノクロ撮影による雪の結晶の写真が、1ページに12個、全部で2354個が掲載されています。レースや花を思わせる形の他、キルトやパッチワークの図柄を見ているような、デザイン製の高い形を自然が生み出すことに、静かな感動が沸き起こります。パラパラとページをめくるだけで、ミクロな雪の別世界に飛んでいくことでしょう。
さて、はかなく消えてしまう雪の結晶の写真を撮影したのは、アメリカの豪雪地帯にある小さな農村に生まれた、ウィルソン・アルウィン・ベントレーという、一人の男性です。彼は農業の傍ら、生涯を雪の研究と結晶の写真撮影に捧げました。
それは、少年時代に顕微鏡を通して見た、雪の結晶に魅了されたことに始まります。以後、撮影された雪の結晶の写真は5000枚を超え、彼の死後、アメリカ気象学会の会長の尽力により、写真集が出版されました。
ただひたすら雪と向き合う彼の写真集は、一途な生き方を通したひたむきな人間の姿が投影されています。
そして、いまなお世界中の人々に雪の美しさと、神秘的な魅力を伝え続けています。
暖冬といわれて、雪をみることが稀になった昨今、あたたかな部屋の中でベントレーの結晶写真を眺めながらのクリスマスを過ごしてみるのも、ロマンチックです。
著者:W.A.Bently
発行:1970年
出版社:Peter Smith Pub Inc
サイズ:259mm×206mm×18mm
仕様:表紙フルカラー/本文モノクロ
http://www.amazon.co.jp/Snow-Crystals-Dover-photography-collections/dp/0486202879/
:::: 橋本 望 ::::大阪・キタ(北区)の外れにひっそりと佇む、ギャラリー、カフェ、ブックショップのお店「iTohen」(いとへん)のスタッフ。四国の香川県から4年前に、大阪に移住。お店の本と雑貨のセレクトは、スタッフ全員で担当しているので、アートの本から詩集や料理本、CDまで幅広く取り扱っています。
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